" [集中 - 散漫]  喫茶のん" / " [paying attention - distraction] Cafe Non "
(project as "Yuganda-isu", my artist duo with Hochoul Lee) ​​​
  mixed-media installation, actions, fogger maker, found object
  2019






喫茶のん。1980年から続いている京都の一乗寺にある喫茶店である。
コーヒーもお酒も飲め、毎週末に常連さんなどが行う音楽ライブが今も続いていたり(298回続いている)、少し前までは近くの美大生が写真の展示を行ったり、常連さんが個人で作ったエッセイのジンが置いてあったり、小規模なコミュニティとなっている。

喫茶店内には、店のママが拾ってきた石ころ達、お客さんがくれたのであろうどこかの国の民芸品、誰が買うのかわからないおつまみの入った瓶、100均のテーブルクロス、大量の漫画と本、常連さんのバンドのCDが詰まった棚、お客さんが持ってきたフライヤの山、使わなくなったかき氷機、京都の劇場のポスター…などなど実に様々なものが、どれも特別あつかいされることなく、所狭しと散在、蓄積されている。この空間が落ち着くのか、(少しだけ癖の強い)常連さんが集い、新規のお客さんも結構な頻度でふらっと入ってくるのが、この店の特徴だ。
この喫茶店に、前作(集中-散漫と同様、お客さんが「霧を吸う」場所、単純作業を行う二人の男、一見使えなそうな日用品を持ちこませていただいた。今回は、「オブジェクトを解体する」の代わりに「オブジェクトにアイロンをかける」作業を行った。
長い時間展示会場でくつろぎ、片付けまで手伝ってくれたお兄さん。突拍子もなく作品内でウッドベースを弾き始めた常連さん。霧を前に自身の専攻していた哲学の話を、三時間程してくれた保険の女性の方。展示スペースには入らずカウンター席から眺め、何か感じたのか1000円くれた常連さん。

作品だからと言って、この空間内では特別扱いされることはない。様々な人たちが、それぞれ自分のペースで作品を体験してくれた。
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[ オブジェクトのテクスチャ、例えば錆びた地球儀の表面の傷に穴を開け、穴を開けた日時と時間をスタンプしたタグを穴に取り付ける。]
[ オブジェクトにアイロンをかけ、ハンガーで吊るす。]
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